愛車との別れ、あるいは不要になった車の処分を考えた時、「廃車」や「スクラップ」という言葉が頭をよぎるのではないでしょうか。
この記事では、「廃車」と「スクラップ」がどのように異なるのかを分かりやすく解説し、車をスクラップにする際の一連の手続きや、自動車リサイクル法に基づいた環境に配慮したリサイクルのプロセスを具体的にご紹介します。
廃車とスクラップの違い
自動車の処分を検討される際、「廃車」と「スクラップ」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。これらは混同されがちですが、それぞれ異なる意味合いを持つものです。
廃車とは
廃車とは、お車を国の登録システムから抹消する「手続き」全般を指し、一時的に車の使用を停止する「一時抹消登録」や、完全に車籍をなくす「永久抹消登録」などが含まれます。
※「一時抹消登録」や「永久抹消登録」に関して詳しく知りたい方は「廃車に関する車の基本的な専門用語|初心者向け」をご覧ください。
スクラップとは
一方、スクラップとは、お車を物理的に解体し、資源として再利用する「作業」そのものを指します。つまり、廃車手続きを行う過程で、お車をスクラップにするという選択肢がある、という関係性になります。
永久抹消登録を行う際には、原則としてお車をスクラップにすることが必要不可欠となります。
廃車のリサイクル率
日本における廃車のスクラップ、すなわち自動車のリサイクルは、「自動車リサイクル法」(使用済自動車の再資源化等に関する法律)に基づき厳格に実施されています。
この法律は、環境問題への意識の高まりとともに、使用済み自動車の適正な処理とリサイクルを促進するために2005年に本格施行されました。
自動車リサイクル法では、自動車メーカーや輸入業者にリサイクル義務を課し、所有者にはリサイクル料金の支払いを求めることで、リサイクルを円滑に進める仕組みが構築されています。
その結果、日本の自動車リサイクル率は非常に高く、2023年度の統計では95%以上という世界トップクラスです。
この高いリサイクル率は、以下のような物質が効率的に回収・再利用されていることを意味します。
このように、廃車となったお車は、多くの部分が再資源として生まれ変わり、新たな製品へと循環しています。
これは、限りある資源を大切にし、未来の世代へ豊かな地球環境を引き継ぐための重要な取り組みと言えるでしょう。
スクラップの手順
引取り・解体業者へ搬入
廃車をスクラップにする最初のステップは、車両を自動車リサイクル法で登録された解体業者へ搬入することです。お客様ご自身で車両を持ち込むことも可能ですが、動かない車や車検切れの車の場合は、解体業者が提供する引き取りサービスを利用するのが一般的です。
リサイクル可能な部品の取り外し
車両が解体業者に搬入されると、次に再利用可能な部品が丁寧に車両から取り外されます。
これは、資源の有効活用と環境負荷の低減に大きく貢献する重要な工程です。取り外される部品は多岐にわたり、専門のスタッフがそれぞれの部品の状態を慎重に確認し、再利用の可否を判断します。
例えば、以下のような部品がリサイクルされます。
- エンジン、トランスミッションなどの駆動系部品
- ドア、バンパー、ライト類などの外装部品
- カーナビ、オーディオなどの電装品
- タイヤ、ホイール
- シート、内張りなどの内装部品
これらの部品は、清掃や点検、必要に応じて修理が施され、中古部品として市場に供給されたり、分解・整備されてリビルト部品として再利用されたりします。
これにより、新たな部品製造にかかるエネルギーや資源を節約し、自動車のライフサイクル全体での環境負荷を低減することを目指しています。
フロン・エアバッグ・オイルなど有害物質の回収
リサイクル可能な部品が取り外された後、次に車両に残された有害物質の適切な回収が行われます。
これは、環境汚染を防ぎ、作業者の安全を確保するために極めて重要な工程であり、自動車リサイクル法において厳しく義務付けられています。
有害物質は、専門の設備と技術を用いて環境に配慮した方法で回収・処理され、外部への漏洩や排出が厳しく管理されています。この徹底した回収作業により、地球環境への影響を最小限に抑えることが可能となります。
ボディを圧縮・破砕(シュレッダー処理)
有害物質やリサイクル可能な部品が全て取り除かれた後、残された車両のボディは、いよいよ圧縮・破砕の工程へ進みます。この工程は「シュレッダー処理」とも呼ばれ、車両を再資源化するための重要なステップです。
まず、残された車体は、強力なプレス機によってコンパクトな塊に圧縮されます。
これにより、その後の破砕処理の効率を高め、運搬や保管のスペースを節約します。圧縮された塊は、次に大型のシュレッダー機械に投入され、高速で回転するハンマーによって細かく破砕されます。
破砕された後の物質は、主に金属片と非金属片の混合物となり、これを「シュレッダーダスト」と呼びます。
このシュレッダーダストから、磁力選別機などを用いて鉄やアルミニウムなどの金属類が効率的に選別・回収されます。
再資源としてリサイクル
車両のボディが圧縮・破砕され、金属類が選別された後、最終的にこれらの材料は新たな資源として生まれ変わります。
選別された鉄、アルミニウム、銅などの金属は、製鉄所や非鉄金属精錬所に送られ、再び溶かされて新しい製品の原料として利用されます。
例えば、鉄は自動車の新しいボディや建材、家電製品などに、アルミニウムは飲料缶や航空機部品などに生まれ変わります。
また、シュレッダーダストとして残った非金属部分についても、近年ではリサイクル技術の進歩により、さらなる有効活用が進められています。
具体的には、プラスチック類やゴム、ガラスなどが細かく分類され、一部はセメント原料として利用されたり、熱回収(サーマルリサイクル)によってエネルギーとして活用されたりしています。
このように、廃車スクラップは、単に不要な車を処分するだけでなく、その大部分を貴重な資源として再利用することで、天然資源の消費を抑え、廃棄物の削減に貢献しているのです。
この一連のプロセスにより、自動車のリサイクル率は非常に高い水準を維持しており、持続可能な社会の構築に貢献しています。
車をスクラップにする方法
ご自身でスクラップ手続きを進める場合と専門業者に依頼する場合
車をスクラップにする際、ご自身で解体業者を探し、手続きを進める方法と、廃車買取を専門とする業者に依頼する方法があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットが存在します。
ご自身で手続きを進める際の注意点
ご自身で解体業者に依頼する場合、車の引き取り手配、解体費用やリサイクル料金の支払い、そして運輸支局での廃車手続き(永久抹消登録)を全てご自身で行う必要があります。
この際、車両の所有権を抹消し、適正に処理されたことを証明するために、いくつかの書類が必要となります。
特に、永久抹消登録には複雑な書類準備と手続きが伴い、不備があると完了できません。
主な必要書類は以下の通りです。
これらの書類を準備し、解体業者に提出することで、スムーズな手続きが可能となります。
専門業者に依頼するメリット
廃車買取の専門業者に依頼することで、これらの手間を大幅に削減できます。専門業者は、車の引き取りから解体、そして永久抹消登録までの全ての工程を一貫して代行してくれるため、お客様は複雑な手続きに煩わされることなく、安心して車を手放すことが可能です。
さらに、不動車や事故車であっても、部品や素材としての価値を見出し、買い取ってもらえるケースも少なくありません。
また、解体業者によっては、引き取り費用が発生したり、リサイクル料金を別途請求されるケースがあります。
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事故車、不動車、水没車、放置車両など、他店では買取を断られるような車でも、専門知識を持つスタッフが丁寧に査定し、価値を見出します。
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自走できない車でもご安心ください。千葉・船橋・鎌ヶ谷をはじめ千葉県全域や近隣県まで無料でご指定の場所へ引き取りに伺います。
- 複雑な廃車手続きを完全代行
運輸支局での永久抹消登録など、面倒な書類作成や手続きは全て当社が代行いたします。お客様は印鑑証明書などの必要書類をご用意いただくだけで結構です。
※必要な書類に関しては、「廃車に関する車の基本的な専門用語|初心者向け」をご覧ください。
- リサイクル料金の還付手続きもサポート
預託済みのリサイクル料金がある場合、その還付手続きについてもサポートいたします。
※自動車リサイクル券に関して詳しく知りたい方は「廃車に必要なリサイクル券とは?車のリサイクルシステム」をご覧ください。
- 環境に配慮した適正処理
引き取った車は、フロンガスやエアバッグの適正処理、リサイクル可能な部品の再利用など、環境に配慮した方法で処理されます。
よくある質問
Q.車をスクラップする際にかかる費用は?
通常、車をスクラップ(廃車)する際の費用は、「リサイクル料金」や「陸運局での手続きにかかる印紙代」などが発生するケースもありますが、多くの廃車専門業者では、それらの費用を全て無料または業者負担としていることがほとんどです。
当社のように「引き取り・解体・抹消手続き」まで無料で対応している業者を選べば、費用負担なしで廃車できます。
Q.動かない車や事故車でも引き取ってもらえますか?
はい、大丈夫です。
車検切れ、事故車、不動車、鍵がない車、バッテリーが上がっている車など、どんな状態でも引き取り可能な業者が多数あります。
当社でも、レッカー車による無料引き取りに対応しておりますので、ご安心ください。
Q.スクラップにした車のパーツはどうなるのですか?
スクラップされた車のパーツは、状態が良ければ中古部品として再販されたり、海外に輸出されたりします。
再利用できない部分は鉄・アルミなどに素材分別され、建築資材や別の自動車部品として再利用されます。
まとめ
この記事では、廃車とスクラップの違いから、実際に車をスクラップにする際の手順について詳しくご紹介しました。
車をスクラップにすることは、単に不要になった車を処分するだけでなく、リサイクル率を高め、地球環境への負荷を減らすための大切な取り組みと言えるでしょう。
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