
廃車手続きを控えている方は、「自動車リサイクル券」に関して様々な疑問をお持ちではないでしょうか。自動車リサイクル券は、適正に自動車をリサイクルするための重要な証明書であり、廃車手続きに欠かせないものです。
そこで、自動車リサイクル券の種類や料金、購入タイミングといった基本情報から、万が一紛失してしまった際の具体的な対処法、さらには廃車された車がどのように資源として再利用されるかまで、網羅的にご紹介いたします。
廃車手続きをスムーズに進めるために知っておきたい情報をまとめましたので、廃車をご検討されている方は、参考にしてみてください。
自動車リサイクル券とは?
自動車リサイクル券とは、自動車リサイクル法に基づき、車の所有者がリサイクル料金を支払ったことを証明する大切な書類のことです。
この制度は、使用済みとなった自動車から発生するごみを減らし、資源の有効活用と環境負荷の低減を目的としています。車を廃車にする際には、自動車リサイクル券またはリサイクル料金を預託したことを証明する情報が必要となります。
このリサイクル料金は、自動車が最終的に廃車される際に発生するシュレッダーダスト(鉄以外のプラスチックやゴムなどのごみ)やエアバッグ類、カーエアコンのフロン類などを適正に処理するための費用として、新車購入時や未預託の中古車を購入する際に支払いが義務付けられています。
自動車リサイクル券の種類
自動車リサイクル券は、一般的にA券〜D券の4枚綴りとなっており、それぞれに異なる役割と意味合いがあります。これらの券は、リサイクル料金の預託状況や車の引き渡し状況を明確にするために使用されます。
自動車リサイクル券の購入タイミング
自動車リサイクル券(料金)預託は、以下のタイミングで行われます。
- 新車を購入する際: 新車を購入する際に、車両価格とは別にリサイクル料金を支払います。
- リサイクル料金が未預託の中古車を購入する際: 中古車の中には、以前の所有者がリサイクル料金を支払っていない車両も存在します。そのような中古車を購入する際には、購入者がリサイクル料金を支払う義務があります。
すでにリサイクル料金が預託されている中古車の場合は、一般的にリサイクル料金相当額が販売価格に含まれている、もしくは別途明記されています。
ご自身の車にリサイクル料金が預託済みかどうかは、「自動車リサイクルシステム」の公式Webサイトにて、【自動車ユーザーの方】→【あなたの車のリサイクル料金は?】→【リサイクル料金検索】にて、車台番号を入力することで確認できます。
自動車リサイクル券の料金とは
自動車リサイクル料金は、車種や装備(エアバッグの数、エアコンの種類など)によって異なります。この料金は、使用済みとなった自動車から発生する廃棄物を適正に処理して再資源化するための費用として、以下の内訳で構成されています。
- シュレッダーダスト料金: 車を解体・破砕した後に残る、鉄以外のプラスチックやゴムなどのごみ(シュレッダーダスト)を処理するための費用。
- エアバッグ類料金: 車に搭載されているエアバッグを回収し、適正に処理するための費用。※エアバッグの中には、ガス発生装置(インフレーター)という火薬が含まれる部品や耐久性のある特殊なナイロン素材で作られているため、車のリサイクル法などにより、安全性・環境への配慮から適正処理が義務化されています。
- フロン類料金: カーエアコンに使用されているフロンガスを回収し、破壊処理するための費用。
- 情報管理料金: 自動車リサイクルシステム全体の情報管理を行うための費用。
- 資金管理料金: リサイクル料金の預託・管理を行う資金管理法人の運営費用。
自動車リサイクル券を紛失してしまった時の対処法
「廃車手続きをしようとしたら、リサイクル券が見当たらない!」そのような状況に直面し、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしご安心ください!リサイクル券を紛失してしまっても、廃車手続きを進めることは可能です。
そこで、リサイクル券を紛失してしまった際の具体的な対処法について詳しく解説いたします。
自動車リサイクル券の再発行はできない!
まず、大切なことをお伝えいたします。自動車リサイクル券(自動車リサイクル料金の預託証明書)は、原則として再発行されません。
ただしご安心ください。リサイクル料金の預託情報は、車台番号に基づいて自動車リサイクルシステムに登録されており、紙の券がなくても正式に証明できます。
紛失してしまった場合でも、公式サイトで車台番号を入力すれば、預託状況を確認することができます。
自動車リサイクル券の代用書類の作成方法
自動車リサイクル券の再発行ができない代わりに、自動車リサイクルシステムから「自動車リサイクル料金の預託状況」を証明する書類を記入して印刷することで、リサイクル券の代用とすることができます。この代用書類の作成は、インターネットを通じてご自身で簡単に行うことが可能です。
自動車リサイクルシステムでの確認・印刷手順

代用書類を作成するための具体的な手順を以下にまとめました。ご自宅のパソコンやスマートフォンから、いつでも手軽に行うことができます。特に手数料はかからず、ご自身の都合の良いタイミングで取得できます。
印刷した書類は、廃車手続きや名義変更の際にリサイクル券の代わりとして使用することができます。
業者に依頼する場合
ご自身でのインターネット操作が難しい場合や時間がない場合は、廃車手続きを依頼する業者または行政書士に代行してもらうことも可能です。その際、代行手数料が発生することが一般的ですので、事前に費用を確認しておくようにしましょう。
いずれの方法を選択するにしても、リサイクル券を紛失してしまったからといって廃車手続きが滞ることはありません。適切な手順を踏むことで、スムーズに手続きを進めることができますので、ご安心ください。
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弊社では、リサイクル券の再発行の代行を無料で行っております。ご心配・ご不安な点がございましたら、お気軽にお声がけください!
廃車・解体された車の行方

車の廃車手続きが行われた後も、その全てがすぐに解体されるわけではありません。実は、限りある地球の資源を有効活用し、環境負荷を低減するための重要な取り組みが行われています。
廃車された車両は、その状態や市場の需要に応じて、「中古車として再利用されるケース」と「解体されて資源としてリサイクルされるケース」の大きく二つに分かれます。以下でそれぞれ解説いたします。
中古車として再利用
「廃車」と聞くと、すぐにスクラップされるイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はまだ走行可能な状態の車や修理すれば走行可能になる車は、中古車として再び市場に出回ることがあります。
国内では年式が古くても海外では高い需要があるため、多くの車が輸出され、その地で新たな役割を果たすことがあります。
また、走行はできなくても、エンジンやトランスミッション、電装品、ボディパーツなど、まだ使える部品が多く残っている場合は、それらの部品が取り外され、中古部品として流通します。
このように、修理が必要な他の車の部品として活用されたり、自動車整備工場などでストックされたりすることで、資源の無駄をなくし、コスト削減にも貢献しているのです。
解体後に資源としてリサイクル
一方、中古車としての再利用が難しい車両や走行不能な車両は、自動車リサイクル法に基づき適切に解体され、資源としてリサイクルされます。
解体の際には、まずフロン類・エアバッグ類・シュレッダーダスト(ASR)といった「特定リサイクル品目」が取り外され、専門業者によって厳重に処理されます。これらは環境負荷の大きい素材のため、適切な処理が法律で義務づけられています。
その後、車両に使われていた部品や素材は徹底的に分別され、鉄やアルミ、銅といった金属類はスクラップとして再生され、製鉄・製造業などで新たな資源として活用されます。
また、バンパーや内装材などのプラスチック類は、燃料やプラスチック原料として再利用され、ガラスやゴムも専門ルートでリサイクルされます。
このように、廃車された車は、そのほとんどの部分が再利用または再資源化されることで、新たな資源の採掘量を減らし、廃棄物の量を大幅に削減することに貢献しています。
2025年現在のリサイクル率について
高度なリサイクル体制のもと、2025年現在、ASR(自動車シュレッダーダスト)における日本リサイクル率は約95%と非常に高い水準にあります。(参考:一般財団法人 日本自動車工業会)
これは、ASR(自動車シュレッダーダスト)に含まれるプラスチックなどの再資源化が進んでいることを示しています。
自動車の大部分を再利用することで、新たな資源採掘量の削減や廃棄物の減少、そして循環型社会の形成に役立っています。まさに、自動車リサイクルは環境保護と資源循環の最前線にある取り組みといえるでしょう。
よくある質問
Q.自動車リサイクル券とはなんですか?
自動車リサイクル法に基づき、リサイクル料金が預託されたことを証明するもので、A〜D券の4つの券が1枚の紙にまとめられています。廃車や名義変更の際に必要となり、自動車が環境に配慮した形で適切に解体・再資源化されることを保証する役割があります。
Q.自動車リサイクル券を紛失してしまいました。再発行はできますか?
自動車リサイクル券(自動車リサイクル料金預託証明書)は原則として、再発行されません。ただし、自動車リサイクルシステムの公式サイトから車台番号から預託情報はいつでも確認できるため、代わりにその情報を印刷して手続きに使用することができます。
Q.リサイクル料金ってどんな費用が含まれているの?
自動車リサイクル料金には、シュレッダーダスト(解体後のごみ)の処理費用、エアバッグ類の回収・処理費用、フロン類の破壊費用、さらに情報管理や資金管理のための費用などが含まれています。車種や装備によって金額は異なります。
Q.自分の車のリサイクル料金はどこで確認ができますか?
自動車リサイクルシステムの公式サイトから車台番号を入力することで確認ができます。この情報があれば、リサイクル券が手元になくても、廃車手続きや中古車売却時のリサイクル料金の確認に利用できます。
Q.廃車した車はどうなるの?
状態が良ければ中古車や部品として再利用されることもあります。再利用が難しい場合は、鉄・アルミ・プラスチックなどの素材ごとに分別され、資源として再生されます。
まとめ
この記事では、廃車時に重要な「リサイクル券」について、その種類や料金、そして万が一紛失してしまった場合の対処法まで詳しくご紹介いたしました。
自動車リサイクル券は、自動車リサイクル法に基づき、廃車時に適正な処理を行うための費用が預託されていることを証明する大切な書類です。紛失しないように気をつけましょう。
また、車を適切に廃車にすれば、中古車としての再利用や解体され鉄、非鉄金属、プラスチックなどの資源に生まれ変わります。こうしたリサイクルの仕組みを正しく理解して、適切な廃車手続きを行うことは、地球環境の未来を守ることにもつながります。
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